メキシコの花ダリア&有機花農家four peas flowers (Revised)
メキシコの国花ダリア。古代アステカ時代には既に栽培されていたというこの花は、スペインの植民地時代にヨーロッパに渡り、今ではなんと世界に2万とも3万ともの品種があると言われています。
La Asociación Mexicana de la Dalia o Acocoxochitl, A.C.
La Asociacion Mexicana de la Dalia o Acocoxochitle (メキシコのダリア協会)によると、意外にも原産地であるメキシコで現在栽培されているダリアは41種類ほどだそう。アステカ帝国の中心地として栄えた、現在のメキシコシティの湖水の都と呼ばれるソチミルコというエリアには、今現在も多くのダリアの生産者がいるそうです。
ソチミルコは死者の日の装飾も有名で、特に花の絨毯には沢山のダリアが使われます。収穫の季節には地元のマーケットにも、色とりどり華やかなダリアで溢れ、地元の人だけでなく、多くの観光客が訪れるそうです。
植民地時代に書かれたメキシコのハーブと薬草の文献にダリアのことが
そもそもなぜ、古代アステカの人たちはなぜダリアを栽培していたのか
実は、ダリアはアステカの人たちにとって神聖の花として栽培していただけではなく、花びらや球根をを生薬として食していたのだそうです。菊科に属すダリアの球根は、見た目だけでなく、イヌリンという整腸作用がある食物繊維が豊富な栄養価も菊芋とよく似ているとか。現在もこの球根をタコスに挟んで食べるヘルシー思考の人もいるそうです。
また、ダリアの花茎は中がチューブのように空洞になっており、アステカの人たちは移動中の飲み水を運ぶ水筒として利用していたのだそう。水を貯められるほどの太い茎のダリアもあるのですね。
現代では華やかさにまず目を奪われるダリアの花ですが、根っこや茎の方が大事にされていたというのはとても驚きました。一方で、アステカ帝国の皇帝モンテスマがタバコのようなものを片手に花束の匂いを嗅いでいる姿が、Codex Vaticanus (バチカンの文献)に残されており、鑑賞用の花としても親しまれていたのか等、気になるので今後も引き続き調べてみたいと思います。
この記事の最後の方に、スペイン語ですがメキシコのテレビでダリアを特集した番組の動画を貼っておきますので、ご興味がある方はぜひ。
アステカの遺跡に残されたダリアだと思われる石碑
モンテスマがタバコのようなものを片手にブーケの香りを嗅ぐ姿 / Codex Vaticanus 3738 folio 60r
さて、そもそも私がダリアに興味を持ったのは、日本で素晴らしいダリアを生産されている有機農家four peas flowersさんとの出会いからでした。
ここから先の記事は、four peas flowersさんのダリアを、2023年秋に贅沢にもトレンサのイベントで使わせていただいた頃にnoteに記したものになります。折角なので、記録として今回のダリアの記事と一緒に残しておきたいと思います。
また、最近読んだfour peas flowersのオーナーの三井聡子さんについての記事がとてもステキだったので、こちらもぜひ一人でも多くの方に(眠れても)読んでいただきたく、リンクを貼っておきます。聡子さんの美しくて逞しい生き方や働き方に、たったひとつの雪解けも待てないでいた私は、大切な気づきをいただきました。今年のダリアも本当に楽しみです。
▷Four Peas Flowers Web site & Instagram

photo taken by four peas flowers
2023年10月15日期:noteより
来たる10月18日(水)から長野県立科町のGoji Goji sobockle さんで開催させていただく、トレンサの「メキシコ 日々 手しごと」展では、神奈川県藤野にある有機花農家のfour peas flowersさんが育てられたダリアを展示スペースに飾らせていただくことになりました。
この時期、季節的にもうお花が無いかもしれないと事前に聞いていたのですが、わがままを言って、ダメもとでぎりぎりまで待たせていただいたのです。すると、数日前になんとか間に合いそうという嬉しいご連絡が。本当にお花の生命力とfour peas flowersさんのお気持ちに感謝しかありません。
トレンサのロゴやタグのデザインを担当してくれているデザイナーの友人の紹介で(彼女はfour peas flowersさんの冊子やサイトのデザイン等も手がけている)、数年前に知り合ったfour peas flowersさん。コロナ禍中のお花のデリバリーサービスで届いた、カラフルではあるけれど、落ち着いた優しい色合いのダリアたちに癒され、そしてどこか励まされ、家時間を豊かにしていただいていました。
おとぎ話の1シーンかのような美しいfour peas flowersのダリア畑 photo taken by four peas flowers
オーナーの三井聡子さんはアメリカ育ち。スローフラワーという考え方を基に、サステナブルな花農業を実践されています。また、メキシコにもとても関心がある方で、彼女のご実家も我が家のすぐそばというのも不思議なご縁。
実は、今回のイベントのためにメキシコのオアハカでかご職人の方に作っていただいたトレンサの特注のショルダーかごは、four peas flowersさんのダリアなどの草花を入れたイメージを膨らませて、サイズや形を考え、制作を進めた背景があるのです。
ダリアが摘まれたトレンサのショルダーかご photo taken by four peas flowers
元々このカゴの原型は、メキシコの先住民族の方々が畑仕事等で使われているものです。その姿を見た時のなんというか美しさというか、格好良さというか、なんとも言えない魅力に心を奪われ、日本でも畑仕事や庭仕事は勿論、インテリアや生活の道具としても取り入れられたら素敵だないう思いがずっと頭の中にあったのです。
ですので、余計に今回のイベントで、イメージモデルでもあるfour peas flowersさんのダリアをご用意していただけることに感謝と嬉しさでいっぱいです。会場にどんな風に飾ろうかな?と今からとてもワクワクしています。
日本ではまだまだ珍しいセンパスチル(マリーゴールド)photo taken by four peas flowers
ちなみにfour peas flowersさんはダリア以外にも多様な草花を育ててらっしゃいます。また、メキシコの死者の日の花としても有名なセンパスチル(黄色い大ぶりのマリーゴールド)も、聡子さんがわざわざ海外から種を取り寄せ育てあげたもの。もう、写真を見るだけでうっとりですね。他にも素敵なお花がいっぱいのfour peas flowersさんのインスタグラムや、魅力的なご活動の様子が見れる下の記事などを是非チェックしてみてください。
出典&関連サイト
▷La Asociación Mexicana de la Dalia o Acocoxochitl, A.C.
▷WRF
▷American Dahlia Society
▷Mexicolore
▷Visiting Mexico.com
▷Codex Vatianus A (→Amazon Kindle)
▷Four Peas Flowers Web site & Instagram
▷Do Well by doing good 壱岐ゆかり「花と土地の人のサステブルな関係」
▷メキシコのテレビ局CANAL ONCEでダリアを特集した番組(スペイン語)
